遅ればせながら「8番出口」観てきました。あんな単純ルールの間違い探しゲーム(もちろん良い意味。ゲームとして最高)に、どうやってストーリーを付けるのか、興味津々で映画館に行きました。
前に並んでいた高校生軍団は、みんなチェンソーマンレゼ篇のチケットを買っていました。封切から一月以上経っているし、連休中であってももうガラガラかもなーなどと思いながら、チケット販売機のパネルを操作すると…ん?…座席がもう1席しか開いていない?慌てて購入しました。
なんと、私が行って映画館では「8番出口」のチケットはほぼ売り切れ。収容人数の少なめな部屋かもだけど健闘してる。そうそう、なんか戦時下のロシアでヒットしているらしい。ロシアでは規制によりハリウッド映画画の供給が途絶えていて、代わりに中国などの他国の映画がヒットしているらしい。
映画を見終わっての結論は、ちゃんと映画になってた。私は設定された短いプロローグのおかげで、スムーズに映画の世界に入れました。監督の川村元気さんは8番出口の脚本や小説化も手掛けているようで、ゲームの設定を生かすために、いろいろと考え工夫しているのだ。そこは思っていたよりも親切だった。
ただし、私はもっと観客を突き放したままの展開が良かったかな。ゲーム設定を生かすための理由づけや舞台演出が周到になればなるほど、ゲームの「不条理性」が損なわれてしまう。ザムザが毒虫になることに理由はない。Kが城にたどり着けないことに城からの返答は一切ない。そういう絶望的な映画(やりすぎたら、誰も付いていけない純文学クソ映画になるのだろうけど)を、私はちょっと期待していた。
8番出口はきちんとエンターテイメントに落とし込んであって、二宮さんの演技も上手で2時間あっという間でした。そして、やっぱり「あのおじさん」はとてもかわいそう。異世界だろうが現実だろうが、おじさんはいつも酷い目に会うんだなと思いました。